
2025年10月14日(火)、「The Game Changer 〜組織の流れを変える人と文化〜」と題された、ショーン・コヴィー氏の来日講演に参加しました。
ショーン・コヴィー氏は、『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィー博士のご子息であり、長年にわたり、世界各地でリーダーシップ教育と組織開発に携わってこられました。
本講演は、単なる理論紹介にとどまらず、「リーダーシップをどのように生きるのか」という本質的な問いを、原則という一貫した軸から深く掘り下げる内容でした。

印象的だったのは、『7つの習慣』が、子どもから大人まで、家庭・学校・企業・自治体・国家といったあらゆる領域に共通して適用されている点です。
年齢や立場を超え、“ゆりかごから墓場まで”通用する原則体系として、世界中で実践されてきた背景を、あらためて実感する時間となりました。
講演の中では、フランクリン・コヴィー・ジャパン代表のビル氏からも、当協会の取り組みが世界的に見ても稀有な、実績ある研修体系であることが語られ、その広がりと継続性に強い説得力を感じました。
特に印象に残った学び
1.自治体経営の事例
全国的に少子化や人口減少が進む中、人口と税収の増加を実現している流山市の事例が紹介されました。自治体運営においても、「7つの習慣」の原則が組織文化として浸透していることを示す、象徴的な実践例でした。
2.教育現場における人間理解
いわゆる「2-6-2の法則」に関する問いに対し、教育現場の指導経験者から語られた言葉が、強く心に残りました。
「一年の中で、子どもが自ら気づき、変わる瞬間は必ず訪れる。だからこそ、信じて待ち、支え続けることが大切である。」
また、困難な家庭環境で育った子どもほど、教師の言葉を深く求めているという指摘は、教育に限らず、部下や後輩を育てるすべてのリーダーに通じる示唆だと感じられました。
3.危機的状況での組織再建
自然災害に見舞われた台湾企業での導入事例も紹介され、危機の中で「7つの習慣」が共通言語となり、組織の再建を支えたプロセスが共有されました。原則の力が、状況を越えて機能することを示す事例でした。
ショーン・コヴィー氏の講演を通じて、リーダーシップとは技術や手法ではなく、信頼と原則に根ざした人間教育であるという本質を、あらためて確認することができました。
一人ひとりの可能性と、その人が気づく「瞬間」を信じ続けること。それこそが、組織や社会の流れを変える出発点なのだと感じています。
このような貴重な学びの機会に、心より感謝申し上げます。





